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メッセージ
今、日本の教育が問われています。文部科学省でも「地域や家庭との連携の強化」がうたわれ、より開かれた教育として「大人が主体的に教育に関わる」責任と、「教育の変革」が求められています。
私たちは設立以来、犬と人とのかかわりから、様々な課題解決に向き合ってきました。
例えば、凶悪犯罪と動物虐待との関連性、動物との関わりが人に与える効果など。動物との関係性が人の心に大きな効果をもたらすことは、世界的な論文でも証明されはじめ、世界各地で動物を通じた様々な社会問題への取り組みが始まっています。
日本でも、児童虐待やいじめ、孤独やストレスなど、子どもたちを取り巻く環境が社会問題化している一方で、動物虐待や飼育放棄などの動物に関する問題も顕在化してきています。
生活環境や経済状況に関わらず、一人でも多くの子どもがこの学びを得る環境づくりのため、私たちは小学校の授業で犬とのふれあい学習を実施できるよう、汎用性と有用性を重視しながらプログラム作りをして参りました。
「オオカミ」が「イヌ」になって以来、何万年もの間「イヌ」は私たち人間と暮らしを共にしてきた動物で、最も人間とのかかわりが長く深いといわれています。その発展のなかで、犬は人とのコミュニケーションを得意とし、人と共存することに安らぎを覚える生態へと変化を遂げてきました。人もまた、犬と生活を共にすることで安心や安らぎを手に入れ、お互いが享受関係を築いてきました。
AIやIoT、VRが進化する中で、もう一度教育の観点から人間本来の原点に立ち返り共に学び合う経験が、これからの人間育成において、小さいけれど重要な要素だと確信しております。
1回の学習プログラムが、児童の人生をガラッと変えることはないかもしれません。しかし、この授業を受けた子どもたちは何かしらの気づきを得て、前に進む力となっていることは確実です。
子どもの心への小さな種まきをし、いつか目を出すためのサポートをすることが大人の役目だと思っております。
同時に、この活動に関わる全てのハンドラーと犬たちにとっても、子どもたちとのかかわりの現場が心の学びとなり、互いの存在意義を認め合える有意義な活動の場であるよう、福祉の観点からも活動を強化して参ります。